【1日目】自然を満喫&宇宙飛行士気分も体験!
1日目は十勝地方の中央部分にあたる帯広市周辺で、プラネタリウム、パラグライダー、そして星空観察を体験!宇宙への好奇心をかきたてつつ、十勝の魅力もたっぷり味わえるプランです。
「帯広市児童会館」で宇宙の不思議と天体の美しさに触れる
旅のスタートは「帯広市児童会館」から。とかち帯広空港からは車で約30分で到着します。ここは科学展示室やプラネタリウム、天文台などがあり、誰でも気軽に天体や宇宙について学ぶことができます。
科学展示室には体験参加型の展示品が充実。月の満ち欠けのしくみや、オリオン座を横から(宇宙空間から)見たらどんなふうに見えるのかの展示のほか、圧縮空気を用いたロケット発射実験などを体験できます。
プラネタリウムはダンベル型の光学式(MS-10AT)。約9,000個の星が映し出され、ドーム天井いっぱいに満天の星が再現されます。
目が暗闇に慣れてくると星が次々と鮮明に浮かび上がり、なんだか本物の星空の下にいる気分に…。
星空だけではなく、天体をアップで映し出すこともでき、CGによって星や天体を細部まで投影できるデジタル式ならではの臨場感のある映像も魅力。まるで宇宙空間にいるような没入感を味わえます。
天文台では月に1回ほど天体観測会も開催されており、季節ごとの星空観察もできます。宇宙の壮大さと美しさを感じられるでしょう。
帯広市児童会館
住所
北海道帯広市緑ケ丘2
電話
0155-24-2434
営業時間
9:00〜17:00
定休日
月曜(月曜が祝日の場合は開館)、
11月~3月までの祝日の翌日(同日が土曜・日曜の場合は開館)、
年末年始(12月29日~1月3日)
入場料
科学展示室:大人180円(65歳以上の高齢者は90円)、高校生90円、小中学生以下無料/プラネタリウム:大人180円、高校生90円、小中学生以下無料
Web
https://www.city.obihiro.hokkaido.jp/kyoiku/kyoiku/childrenhall/index.html
絶景と宇宙飛行士気分が味わえる!?「パラグライディング十勝」
帯広市児童会館で宇宙を身近に感じたら、車で1時間ほど東へ。今回の旅のメインである「大樹町」の隣に位置する、浦幌町の昆布刈石海岸でパラグライダーを体験!
ここは北太平洋に面した場所で、北海道の原風景が残る絶景エリア。海岸沿いに標高約80メートルの崖が続き、その上からプロパイロットと一緒に飛び立ちます。
体をしっかり固定し、海に向かって走るとすぐにふわりと体が浮き上がり、あっという間に十勝の空の中に。波音と風を感じながら浮遊している間に雄大な海岸の風景がどんどん広がっていき、遠くに美しい水平線が見えてきます。
空や海の青さ、そして宇宙の中に浮かぶ地球の丸さも感じられ、大感動! もちろん高度は限られますが「宇宙飛行士が地球に帰還する際の着陸カプセルのパラシュートはこんな感じ?」と想像しながらのフライトで、まさに「宇宙飛行士気分」を味わえる体験です。
海岸湖「ホロカヤントー」で自然のパワーをチャージ
北海道らしい風景もひとつご紹介。浦幌町から大樹町の海沿いにかけて、数々の美しい海岸湖があります。今回はその中のひとつ「ホロカヤントー」へ。
周囲約5kmの湖は、陽の光を浴びて静かな輝きを放ちます。
周辺にはハマナスや北海道南部に自生するエゾキスゲなどの原生花園が広がり、黄色や赤、紫といった鮮やかな花がいっぱいに。
海岸を登った丘上には「十勝ホロカヤントー竪穴群」も。約2kmにわたって作られた先住民族の一大住居集落の跡が、地球の悠久の歴史を感じさせてくれます。冬はワカサギ釣りの絶好ポイントとしても有名です。
ホロカヤントー
住所
北海道広尾郡大樹町晩成
「宙旅カフェ Soratabi Cafe」で満天の星を浴びる
1日目の締めくくりは、星空観察ができる「宙旅カフェ Soratabi Cafe」で。
十勝管内屈指の星空スポットで、天体望遠鏡やカフェスペース、星空を眺めるレジャーベッドなどを設置し、非日常を味わえる体験プログラムです。
十勝で観光事業を展開する運営会社サムライプロデュースが送迎からガイドまでしてくれます。
街の光が届かない星空スポットには、時折、さまざまな野鳥の鳴き声が響き、大自然の中の夜を感じます。
ランタンの優しい灯りの中、カフェタイム。その後、灯りを消すと頭上にはこぼれ落ちそうなほどたくさんの星が輝き、まさに宇宙にすっぽりと包み込まれている感覚に。
レーザーポインターや星座が映し出されるアプリを使ったガイドさんの楽しい解説も魅力。ぼーっと星空を眺めるもよし、あの星はなんだろうと調べるのもよし、果てない宇宙を感じられる特別な時間でした。
もちろん天候によって星空がきれいに見えないこともあるそうですが、そこは大自然が織りなす営み。「宙旅カフェならではの時間をまた過ごしたい」とリピートする人や、リベンジを狙って訪れる人も多い人気プログラムです。
※ 撮影のためランタンを使用していますが実際の星空観察時は消灯します
宙旅カフェ Soratabi Cafe
電話
0155-66-4006
実施時間
19:30~22:00
料金
7,000 円(一名分)
【2日目】大樹町周辺で宇宙を楽しく学ぶ
2日目は、いよいよ旅のメインである宇宙のまち、大樹町の「北海道スペースポート(HOSPO)」へ! 今まさに実験や開発が進んでいる関連施設を巡った後は、ここでしか買えない宇宙関連グッズをチェック。宇宙を学びながら大樹町を楽しみます!
「十勝ネイチャーセンター」で早朝の気球体験!
気球に乗って宇宙へ。そんな胸躍る計画が進行中であることをご存じでしょうか。現在、宇宙開発業界では、気球を使った成層圏(宇宙の入り口)への旅を実現すべく日々開発が進んでいます。
そんな「気球での宇宙への旅」を少しでも現実的に感じるべく、2日目は「十勝ネイチャーセンター」で気球に搭乗!
こちらの気球体験は所要時間が約5分で、小さなお子さんも搭乗可能という手軽さが人気。6時台という早朝だからこそ、清々しい気分で1日を迎えられます。
この日はあいにくの曇り空でしたが、晴れた日には西に広がる日高山脈の山並みや十勝平野を一望でき、絶景を楽しめます。
揺れとともにゴンドラが地面から離れると風景が一変。眼下に流れる十勝川や畑の様子が見え、十勝の自然と空中浮遊の気持ちいい感覚を味わうことができました。
十勝ネイチャーセンター(早朝気球体験)
住所
北海道河東郡音更町十勝川温泉南12丁目1-12
電話
0155-32-6116
実施期間
2024年4月27日~9月30日
実施時間
4・5・6・9月:6:30〜7:30、7・8月:6:00〜7:30
料金
大人2,500円 子ども:2,000円(2歳~小学6年生)
定休日
なし
「北海道スペースポート(HOSPO)」で宇宙の最前線に触れる
気球での浮遊体験を楽しんだ後は、いよいよ大樹町にある宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」(以下HOSPOと記載)へ向かいます。 十勝らしい広大な畑を眺めながら1時間ほどドライブ。
大樹町のカントリーサインにはロケットがデザインされていて、“宇宙のまち”であることが伝わります。それもそのはず、大樹町が宇宙のまちづくりを始めたのは、40年も前のことなのです!
ほかにも、街中にはロケットのオブジェや宇宙モチーフのアートがあり、まさに宇宙推しの様子!
HOSPOは、2021年に民間に開かれた宇宙港として始動した、民間企業や大学、研究機関が自由に使える航空宇宙開発の中核を担う拠点。
垂直打上げロケットの実験・打上げ設備を有し、さまざまな航空実験から打上げまでをサポートしています。今後、確実に進む宇宙ビジネスを支える重要なインフラとして注目を集めています。
宇宙交流センターSORA
まずは敷地内にある「大樹町宇宙交流センターSORA」で大樹町と宇宙の関係に迫ります。
施設内に入るとまず、実際に大樹町から打上げられたロケットを間近で見ることができます。また、なぜ大樹町に宇宙港ができたのか、といったこれまでの宇宙との関わりを知ることができる展示も。
ほかにも、飛行機とロケットの各国の歴史がひと目で分かる年表に、これまでの航空実験を解説したパネル、ロケット発射時のリアルな音を大型スピーカーから流す「爆音体験コーナー」も。現在進行形で発展を続ける大樹町での宇宙開発を身近に感じられます。
滑走路・JAXA航空宇宙実験場
次は、滑走路へ。全長1300mの滑走路では、無人航空機、ドローン、空飛ぶクルマから小型ロケットの打上げ、航空宇宙関連のイベント、スカイスポーツまで幅広い用途で使われています。将来的には、新たに3000mの滑走路を整備する構想もあり、飛行機と同じような有翼型のスペースプレーン(宇宙往還機)の離着陸地点としての活用が期待されています。
巨大な滑走路の中を進んでいくと、どこまでも続く滑走路の長さと広い空に圧倒され、爽快な気分に!北海道スペースポートから宇宙への航路が始まると思うと、ワクワクが止まりません。
また、滑走路のすぐそばにはJAXAの航空宇宙実験場も。
ここでは、年に数回大気球実験が行われていて、宇宙や地球はどうやってできたのか、人が宇宙に行くにはどうすればよいのか、といった宇宙科学の最前線が研究されています。
(コラム)大樹町発宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ(IST)」も近くに!
HOSPOから車で10分ほどのところには、同町に拠点を置くロケット開発企業「インターステラテクノロジズ(IST)」(以下ISTと表記)も。2005年にISTの前身「なつのロケット団」を結成後、あくなき挑戦を続ける同社。2011年から大樹町でロケット打上げ試験を開始し、2019年には観測ロケットの打上げを行い、国内で初となる民間単独開発での宇宙到達を達成しました。現在は小型人工衛星打上げロケットZEROの開発を進めています。現在見学できるのは社屋の外観のみですが、日進月歩で進む民間宇宙開発の力強いエネルギーを感じられるスポットです。
今回ご紹介した大樹町宇宙交流センターSORA、滑走路、そしてISTは、HOSPOで運営している一般および教育団体向けのプログラム「北海道スペースポートツアー」で巡ることができます。宇宙開発について関連施設を回るガイドツアーで、実際に使用されている滑走路やJAXA大樹航空宇宙実験場(外観のみ)、IST(外観のみ)を見学できます。気になる方は以下をチェックしてみてください!
「半田ファーム」で十勝の恵みを味わう
HOSPOで宇宙開発とロケットの臨場感を満喫した後は、大樹町の中心部に。
せっかく十勝地方を訪れたならば、その土地ならではのグルメやスイーツも楽しみたいところです。4世代にわたって酪農を営んでいる「半田ファーム」にやってきました。
まるで映画に出てきそうな牧歌的でおしゃれな雰囲気の牧場内。散策のおともには、爽やかな口当たりと豊かなコクが特徴のソフトクリームを。
新鮮な生乳から作られたこだわりのチーズもお土産に人気のアイテムです。
町の人口より牛の頭数のほうが多い大樹町では、のどかな風景の中で放牧され気ままに過ごす牛たちの姿をよく見ます。
じつは近年、北海道では牛の糞尿をメタンガスに変えてエネルギー利用する動きが盛んで、大樹町の一部の牧場でも取り組んでいます。それらのエネルギーは、ISTが開発を進める小型人工衛星打上げロケットZEROに使用予定。燃焼試験にも成功しています。
町の主要な産業も、宇宙との関わりがあることがわかりました。
※半田ファームの牛の糞尿はこの取り組みには使用されていません。
「道の駅コスモール大樹」でここだけの宇宙グッズをチェック!
旅の終わりには、お土産探しも兼ねて宇宙グッズをチェック。
「道の駅コスモール大樹」には現在、約80種類の宇宙関連商品が並んでいます。
中でもおすすめなのが、深煎りのスペシャルティコーヒー「ロケットコーヒー MOMO」。宇宙でも使用可能な機密性の高い包装材料が使われています。ISTが開発する商業用ロケット「ペイターズドリームMOMO4号機」に搭載された際には、残念ながら宇宙空間に到達する前に北海道沖に沈みましたが「世界一高いコーヒー」といわれています。
ほかにもTシャツやフライトタグ、地元菓子店のスイーツ、カプセルトイでGETできるかわいいピンバッジなどここでしか手に入らない商品がいっぱい!思わず目移りしてしまいます。
展示コーナーには、ISTの実機ロケット「ねじのロケット」(MOMO7号機v0)や、2005年に民間衛星打上げを検討し始めた当初の様子なども紹介されていて、宇宙への果てなきロマンを感じながら旅を終えました。
道の駅コスモール大樹
住所
北海道広尾郡大樹町西本通98
電話
01558-6-5220
営業時間
9:00〜17:30
定休日
12月31日〜1月3日
広大な十勝平野ならではの宇宙体験を!
「宇宙のまち」として、現在は宇宙港を中心に盛り上がりを見せる大樹町とその周辺地域。宇宙関連施設はもちろん、気球やパラグライダー、星空観察など、十勝の自然を活かしたアクティビティで貴重な宇宙体験ができました。宇宙を近くに感じると、私たちがいるこの地球が「本当に宇宙の一部なんだ」と実感でき、忘れられない経験に。非日常体験がいっぱいの十勝での宇宙に想いを馳せる旅に出かけてみませんか?
※価格は全て税込み表示です。