これまで夢の世界のものだった宇宙旅行が、今や現実の“旅行先”になってきています。とはいえ、2024年現在、宇宙旅行にかかる費用は1,000万〜50億円ほどと、高額な費用が必要なこともまた事実です。そこでこの記事では、現在実現されている宇宙旅行の費用例や、将来の宇宙旅行の金額予想についてご紹介します。

宇宙旅行の費用は1,000万〜50億円! なぜ高いの?

2024年現在、宇宙旅行にかかる費用はおおよそ1,000万〜50億円といわれています。なぜこんなにも高額な費用がかかるのか、それは宇宙産業が急成長中の業界であることが関係しています。

画像: 画像:iStock.com/Vertigo3d

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宇宙旅行はなぜ高い? 宇宙旅行産業の現在

1960年頃からスタートした宇宙産業は、つい最近までNASAやJAXAなどの公共事業が「開発・実験・本番」など、そのすべてを担ってきました。それが2010年代以降、アメリカを先駆けに、政府のサポートのもと民間企業が参入できるしくみが出来上がってきたのです。

宇宙産業の市場規模予測図1)

画像: 宇宙旅行はなぜ高い? 宇宙旅行産業の現在

こうした動きが出始めて以降、宇宙産業市場は爆発的な成長を続けています。上図のように2040年には、現在の2倍以上である120兆円規模に拡大する見通しもあります。

つまり2024年現在は、その成長途中の段階。現段階で宇宙旅行を実現させているいくつかの企業は、その開発に莫大な時間と資金をかけてきているわけです。そのため、宇宙旅行にかかる費用も当然高くなってしまうのです。

【費用例】主な企業の宇宙旅行の金額と内訳

では、すでに実現している宇宙旅行の費用はいくらなのでしょうか。主な企業の例を紹介する前に、まずは宇宙旅行の種類ごとの費用の目安をご説明します。

宇宙旅行の費用は、種類によって大きく異なる

じつは宇宙旅行は、その種類によって大きく費用が異なります。

画像1: 宇宙旅行の費用は、種類によって大きく異なる

主な宇宙旅行の種類は、オービタル旅行、サブオービタル旅行、“擬似”宇宙旅行の3つ。それぞれご紹介します。

なお、現在実現している宇宙旅行はどんなものなのか、詳しくは以下の記事をご覧ください。
【関連記事】宇宙旅行ってどんなもの?実現している旅の種類、費用の目安を解説

①地球を周回するオービタル旅行(数十億円〜)

画像2: 宇宙旅行の費用は、種類によって大きく異なる

オービタル旅行は、高度数百〜2,000kmの地球を周回する軌道に入る宇宙旅行です。前澤友作さんが滞在した国際宇宙ステーション(ISS)への旅行が、このオービタル旅行の代表例として知られています。

宇宙での滞在時間が長い一方、宇宙飛行士と同様の厳しい訓練を受けなければ参加できず、その訓練期間も長期になることが特徴です。

費用は数十億円以上。例として前澤さんの旅行は、BBC(英国放送協会)の報道によると2人分で8,800万ドル(当時のレートで約100億円)かかったと推測されています2)

滞在期間数日間から2週間程度
訓練期間100日間〜
旅行代金数十億円〜
※上記はあくまで目安の期間、金額です

②短時間宇宙へ飛び出す「サブオービタル旅行」(数千万円〜)

画像3: 宇宙旅行の費用は、種類によって大きく異なる

サブオービタル旅行は、高度80km以上の宇宙空間に数分間行くことができる宇宙旅行です。旅行とはいえど、飛行時間計90分ほどの旅のため、アトラクションに近いものといえます。

数分間とはいえ無重力を体験することは可能で、訓練も2日程度と短期で参加できることが特徴です。

費用は数千万円以上 前述のオービタル旅行と比較すると、安価になっています。

滞在期間数分間
訓練期間約2日間 3)
旅行代金数千万円〜
※上記はあくまで目安の期間、金額です

③ジェット機や気球を利用する「“疑似”宇宙旅行」(150万円〜)

画像4: 宇宙旅行の費用は、種類によって大きく異なる

宇宙空間に行く「宇宙旅行」とは異なりますが、それよりも低い高度で擬似的に宇宙旅行のような体験ができるツアーも実現しています。

1つ目の例はジェット機を使った無重力体験。繰り返し上下することで、数秒〜数十秒の間無重力空間を楽しむことができます。安価なプランであれば150万円以内4)で参加できることもあり、手軽な宇宙体験の1つといえるでしょう。

画像5: 宇宙旅行の費用は、種類によって大きく異なる

2つ目は、特殊な気球で成層圏(高度10〜50km)まで上昇し、宇宙からの景色のように、地球や星を眺めることができるツアーです5)。こちらも700万円〜と、オービタル旅行やサブオービタル旅行と比較すると、安価で販売されています。

<ジェット機の無重力体験の場合>

滞在期間数秒〜数十秒を複数回
訓練期間なし
旅行代金150万円〜
※上記はあくまで目安の期間、金額です

<気球の成層圏滞在の場合>

滞在期間数時間
訓練期間なし
旅行代金700万円〜
※上記はあくまで目安の期間、金額です

〈実現直近〉より地球の外側へ「月周回旅行」(数百億円〜)

画像6: 宇宙旅行の費用は、種類によって大きく異なる

2024年3月現在、宇宙旅行として実現しているのはISSまでですが、近い将来、月の周りをぐるっと一周してくる月周回旅行も実現される見込みです。

2018年に発表されたスペースX社の月旅行計画「dearMoon(ディアムーン・プロジェクト)」には前澤さんも参加しており、2024年以降の打ち上げが予定されています6)。この月周回旅行は、おおよそ120億円かかるのではないかと推測されています7)

宇宙旅行サービスを行っている主な企業例

画像: 画像:iStock.com/Wirestock

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ここからは、具体的に宇宙旅行サービスを行っている企業例をご紹介します。

海外の主な企業

2024年3月現在、宇宙旅行を実現させている企業は、海外のみになっています。主な企業を3つご紹介します。

スペース・アドベンチャーズ(4,400万ドル)

提携しているスペースXの有人宇宙船「クルー・ドラゴン」に搭乗し、ISSに滞在するオービタル旅行のプラン。同社の公式サイトによれば、販売する宇宙旅行の価格は「お客様が選択する宇宙船、日程、およびミッションプロフィールに応じて異なります」とのこと8)前述でも紹介しましたが、たとえば前澤さんが支払った費用は2人分で8,800万ドル(当時のレートで約100億円)と推測されています2)

会社名スペース・アドベンチャーズ
宇宙旅行の種類オービタル旅行
費用4,400万ドル/1人
※8,800万ドル/2人分として、1人分を算出しています

ヴァージン・ギャラクティック(45万ドル)

2024年3月現在、サブオービタル飛行による宇宙旅行のプランを販売しており、日本の宇宙旅行代理店、クラブツーリズム・スペースツアーズを通じて宇宙旅行に参加することが可能です。クラブツーリズム・スペースツアーズの公式サイトによれば、旅行代金は1人あたり45万ドル(2024年4月10日時点のレートで6,829万3,800円)と なっています9)

会社名ヴァージン・ギャラクティック
宇宙旅行の種類サブオービタル旅行
費用45万ドル/1人

ブルー・オリジン(費用非公開)

同社が開発した有人宇宙船「ニュー・シェパード」を利用したサブオービタル飛行による宇宙旅行のプランを販売しています3)。価格は公表されていませんが、同じくサブオービタル旅行のプランを販売しているヴァージン・ギャラクティックと同等の価格なのではと推測されています。

会社名ブルー・オリジン
宇宙旅行の種類サブオービタル旅行
費用非公表

日本の主な企業

まだ実現はされていませんが、日本にも宇宙旅行を計画している企業があります。ここでは主な企業を2つご紹介します。

PDエアロスペース(3,000万円)

独自開発の“切替エンジン”を搭載した有人宇宙飛行機(スペースプレーン)で、2029年に1人約3,000万円で参加できるサブオービタル旅行を計画しているPDエアロスペース10)。2024年春に無人機での飛行実験、2027年には有人飛行計画を予定しています。

会社名PDエアロスペース
宇宙旅行の種類サブオービタル旅行
費用3,000万円

岩谷技研(2,400万円)

気球による宇宙遊覧の旅を目指す岩谷技研。2024年には1人約2,400万円で宇宙遊覧できるサービスを開始しており11)、今後も随時募集を行う予定です。

会社名岩谷技研
宇宙旅行の種類“擬似”宇宙旅行
費用約2,400万円

近い将来、100万円で宇宙旅行に行けるかも

画像: 画像:iStock.com/Andrey Sayfutdinov

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冒頭でご説明したとおり、宇宙産業はまさに今、急成長している最中。文部科学省の予測によると、2040年代前半に想定されるオービタル旅行は年間21フライト、サブオービタル旅行は年間8,800フライトという市場概況です12)。2024年現在、年間のフライトが数本あるかないかという状況を踏まえると、宇宙産業全体が大きく成長することは間違いありません。

市場が拡大することで、競争が起き、フライト機会も増え、結果的に宇宙旅行の費用は今よりも低価格になるでしょう。10年後には、100万円ほどで誰しもが宇宙旅行に行ける未来が来るかもしれません。

※この記事の内容は2024年4月10日時点の情報を元に制作しています

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